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社会に船出するみなさんへ(『学報』2018年度第4号より)

蛇のように賢く、鳩のように素直に
―社会に船出するみなさんへ―

学長 茂里 一紘


 ご卒業・修了おめでとうございます。

 みなさんは、本学での学びを終え、今、社会に船出をしようとしております。みなさんは東京女子大学での学びを見事完了し、これからの航海に備え準備万端を整えました。どうか胸を張って自信をもって船出してください。


 ところで、みなさんもご存知のように、日本は、ジェンダー・ギャップがなお大きい国です。就職活動などですでにその一端を経験しているかもしれませんが、みなさんのこれからの人生には、自分の力の枠を超えた困難に遭遇することがあるだろうと思います。そのような社会に船出するみなさんを前にすると、私は、イエスが弟子たちを伝道に派遣するときに言った「わたしはあなた方を遣わす。それは、狼の群れに羊を送り込むようなものだ」というマタイによる福音書10章16節のみ言葉が複雑な気持ちとともに思い浮かびます。みなさんが船出しようとする社会には、みなさんの力をもってしては避けることのできない危険極まりないこともあるということです。加えて、出産、育児、夫・パートナーの勤務に伴う環境の変化など、女性としての生き方にも大きな変化を余儀なくされることや予期せぬ困難に遭遇することがあります。このみ言葉は「だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい」と続いております。手許の英語聖書では、“be shrewd and innocent”とあります。イエスが弟子たちに語っている状況とは異なりますが、私は、「そのような中にあっては“shrewd”(熟慮して抜け目なく賢く)そして“innocent”(無邪気)であってください」とみなさんに申し上げたいのです。



(続きは『学報』本誌でご覧になれます)


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