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東京女子大学に呼ばれて何をどう学ぶか 新入生へのメッセージ(『学報』2019年度第1号より)


東京女子大学に呼ばれて何をどう学ぶか

学長 茂里 一紘


新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。


 入学式では、一人ひとりの名前を呼び、起立してもらいました。これは、学生と教師がお互い一人ひとりの人格を尊重するという本学の基本的な考えによるものです。みなさんはどのような思いで起立したでしょうか。
 本学の卒業生である瀬戸内寂聴さんは、女学校の廊下に貼ってあったチャペルの美しいポスターを見て「東京女子大学に行きたい」と思い、受験したそうです。人間の目には偶然と見えても、時を経てそれが神さまの計画であったと思えることがあります。それを“calling”と言います。みなさん一人ひとりも東京女子大学に呼ばれたのです。
 何を学ぶか。本学の前庭の広場を遊歩道が通っています。多行松が植えられた芝生の中の清楚な幾何学模様に学長室の窓からしばし見とれる時があります。遊歩道が広場を挟んで向かい合う二つの校舎を縦、横、斜めに結んでいる様子は、あたかも、教室で学んだ専門をその枠を超えて縦横無尽に結び付け合い新しい価値を生んでいる学びに思えてくるからです。
 それは本学が創立以来100年間一貫して大切にしてきたリベラル・アーツ教育でもあります。時には遊歩道に立ち止まり、教室での学びをどのように結び付け新しい価値をつけようとしているか考えてみてください。リベラル・アーツ教育は本学での大切な学びです。
 どのように学ぶか。本学ではタイ・ワークキャンプを実施しております。参加したみなさんの先輩が次のような感想を書いてくれています。
 「ここでの経験は、私をよりたくましくしてくれた。自分の目、耳、全身で感じ取ったことは、私の視野を広げ、興味を広げ、学ぶ意欲をかきたててくれた」、「お金も物量も豊かでない子どもたち。しかし心はとても豊かでとても幸せそうだった。豊かさとは、幸せとは何だろうと疑問に思う。これからの自分の大学での学びのあり方、いろいろなことに向き合う姿勢、将来のことなどを考えるきっかけになった」と。行動によって多くのことを学んでいます。
 若者は行動することで考えを深めます。そして考えることは人間を逞しくします。東京女子大学には、行動を伴うプログラムが多く用意されています。「知りたい」、「やってみたい」と思うことを大切にして、一歩踏み出して参加してください。
 学長室には、新渡戸稲造先生が揮毫されたロングフェローの詩“Act in the living Present! Heart within and God overhead!”が掲げられています。
 みなさんの学生生活が豊かなものとなることを願っております。(もり・かずひろ)



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